電子書籍制作で揃えたいソフト一覧
電子書籍制作にあたり、揃えたいソフトを紹介しましょう。
必要なソフト・ツールのカテゴリは、
- 制作前工程:デザイン系ソフト
- 制作中工程:EPUBエディタ、解凍・圧縮ツール
- 制作後工程:リーディングシステム(電子書籍ビューワー)
に分かれます。各ソフトを紹介しますが、◎がついているソフトはこの学校で使用するソフトとなります。
制作前工程:デザイン系ソフト
電子書籍制作前の工程として、まずデザイン、レイアウトを組むことが前提となります。
前工程に必要なソフトについては、InDesignなどを使用するのがのぞましいと思いますが、ワープロやIllustrator、Photoshopなどで代用することも可能です。この学校では、デザイン完了後のデータとしてPDFやPhotoshopを使用しますが、この部分は電子書籍制作の前工程の部分ですので、特にこれでなければならないということはありません。OSに標準で導入されているワードパットやテキストエディットでもレイアウトはできます。
しかし、Photoshopのような画像サイズや切り抜きを加工でき、画像ファイル形式を変換するソフトウェアは必要です。GIMPなどのように、フリーでありながら、かなりの画像処理ができるソフトもあります。
制作後工程:リーディングシステム(電子書籍ビューワー)
次に、制作中工程は後回しにして、制作後工程「リーディングシステム」を先に説明します。
リーディングシステムは、電子書籍を閲覧するために必要なソフトですが、電子書籍制作中でも確認表示のために多用します。
この学校では、PCでの電子書籍閲覧とEPUB規格を標準とします。一番費用のかからない方法ですね。次のリーディングシステムをPCに導入しましょう。すべて、無料で、iBooks以外はWindows, Macともにインストール可能です。
リーディング システム |
前提 | 対応 | ダウンロードURL |
---|---|---|---|
◎Adobe Digital Editions 2 | なし | EPUB3 | http://www.adobe.com/jp/products/digital-editions/download.html |
◎Readium | Google Chrome | EPUB3 | http://readium.org/ |
◎EPUBReader | Firefox | EPUB2 | https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/epubreader/ |
iBooks | MacOS 10.9 (Mavericks)に付属 | EPUB3 | http://www.apple.com/jp/osx/ |
※MacOSのReadiumでは縦組み表示の不具合があるようです。Macをお使いの方は、Google Chromeの代わりにReadium Chromiumを起動して、Readiumを導入してください。(「GitHub – Readium Chromium」の「How to use a binary release」からダウンロード)
余裕があれば、次のハードウェアやツールも欲しいところですが、この学校では必須としません。
ハードウェア | OS | リーディングシステム | 対応 | 備考 |
---|---|---|---|---|
iPadまたはiPhone | iOS5~ | iBooks3 | EPUB3 | 転送ツールとして PCにiTunes |
Androidタブレット またはスマートフォン |
Android | Aldiko Book Reader | EPUB2 | |
Himawari Reader | EPUB3 |
制作中工程:EPUBエディタ、解凍・圧縮ツール
最後に、制作中工程「EPUBエディタ、解凍・圧縮ツール」です。
ソフト名 | OS | 用途 | 備考・ダウンロードURL |
---|---|---|---|
◎Sigil | Windows MacOSX10.8+ |
EPUB2用エディタ | https://code.google.com/p/sigil/ |
◎Brackets | Windows MacOSX |
EPUB3用エディタとして | http://brackets.io/ Google Chromeをビューワーとして連携可能 |
秀丸 | Windows | EPUB3用エディタとして | http://www.hidemaru.interlink.or.jp/ |
TeraPad | http://www5f.biglobe.ne.jp/~t-susumu/library/tpad.html | ||
mi | MacOSX | EPUB3用エディタとして | http://www.mimikaki.net/ |
◎Lhaplus | Windows | EPUB3用解凍ツールとして | http://www.forest.impress.co.jp/library/software/lhaplus/ |
◎Stuffit Expander | MacOSX | EPUB3用解凍ツールとして | http://stuffit-expander.softonic.jp/mac |
◎EPUB圧縮 | Windows | EPUB3用圧縮ツールとして | http://systemphoto.sblo.jp/article/58812243.html |
◎ePub Zip Unzip | MacOSX | EPUB3用圧縮ツールとして | https://code.google.com/p/epub-applescripts/ |
◎サブセットフォントメーカー | Windows MacOSX |
フォントファイルのサブセット化 | http://opentype.jp/subsetfontmk.htm |
◎Kindleプレビューツール | Windows MacOSX |
KF8への変換 | https://kdp.amazon.co.jp/help?topicId=A3IWA2TQYMZ5J6 |
SigilはEPUB2しか対応していませんが、EPUB制作時には必須のソフトです。EPUBに特化した非常に優秀なエディタです。
EPUB3ファイルを制作するためには、BracketsなどのHTMLエディタを使用するのが、一番効率がよいと言えるでしょう。
EPUBを作成する場合、一太郎などのワープロソフトまたはInDesignなどのレイアウトソフトを使用してある程度EPUB変換することもできますが、この学校ではEPUBを単純な変換で済ますことを目的としていません。
これらのソフトでの変換は、グチャグチャのドキュメントを書き出す結果となるので、その後に個別に修正を加えることは実質的に難しいでしょう。そもそも修正を加える技術があれば、最初からSigilで作ってしまった方が簡単かもしれませんし、ツールを使ったとしても同等の知識が求められます。
EPUB2までであれば、完全にSigilで作成できます。問題は、EPUB3です。現在の段階では、EPUB3でも可能な限りSigilで作成し、少々面倒ですが、その後EPUBファイルを解凍して、EPUB2からEPUB3への修正を加え、EPUBファイルに再圧縮する方法が一番効率的と言えます。
解凍ツールはZIPを解凍可能なツールであれば、なんでも構いません。しかし、圧縮ツールはEPUB専用の圧縮ツールが必要です。紹介したソフト以外でも、いろいろなツールがあると思いますが、どれでも問題ありません。
このような方法以外でも、有償ですが、FUSEe(Windowsのみ)というSigilに非常に近いEPUB3対応のEPUBエディタを使用する方法もあります。
この学校では、SigilとBracketsを使用したEPUB2, EPUB3の制作を実践していきます。
ザクッとソフトの説明をしてきましたが、お金をかけずに電子書籍を制作するには、現在ではこれらのソフトが一般的と思います。
- まとめ
- とりあえずソフトをインストールしよう
- 電子書籍は無料で作れる
- ワープロ・レイアウトソフトのEPUB変換はあとあと面倒
- EPUB2はSigilで十分、EPUB3はEPUB2をBracketsで編集